応援団。 [よろず雑感]
☆最近、応援団なるものの動画視聴にハマっている。
☆と、いうのは近年、早稲田大学で初の女性リーダー(*¹ 応援団で学生服を着て前に立っていろいろな所作をする人たちの事)が誕生したこともあり、俄然というか何というか、いったいどういう代物なのか、興味が沸々湧いてきたからである。
☆応援団のイメージといえば、どおくまんグループによるコミック「花の応援団」(*² 応援団をテーマにしたギャグコミック。1970年代半ば頃、一世を風靡した)にあるような、ごつくて泥臭い上に男くさく所謂「バンカラ」な、男漢したものがまず思い浮かぶ。
☆端的に言えば、パンチパーマに学ランにボンタンに下駄!のイメージ。
☆然し、今日の応援団はそんなこてこての「バンカラ」イメージとは少しかけ離れた、スマートで親しみやすいものになっている。
☆早慶両校の応援団(早稲田は「応援部」、慶應は「応援指導部」と称している)の面々を見ていると、リーダー陣は真面目な好青年というよりは、面白い味のある若者が多い。これは特に早稲田に特徴的。
☆しかし「花の応援団」の主人公・青田赤道のようなごつーいばんから丸出しの者は、もうほとんどいない。特に慶應はスマートな若者が学ランを着て、でかくて野太い声を出しながら舞台でチアリーダーの前で音頭を取っていたりする。
☆これは両校の応援団の歴史を観るとわかるのだが、時代の変遷に合わせて、リーダーで男子一辺倒のところを女子を入れてみたり、男子ばかりのチアリーダーを登場させたり、ばんから色を一掃して完全に紳士の集団に変えたりして、生き残りを図っているようである。
☆これは何も両校だけではなく、ほかの学校でも応援部は学生服のリーダー志望者は減少の一途だという事情も反映しているのであろう。(逆に結構チアとか吹奏楽団への入部志望者は増加傾向が続いているらしい)
☆ともあれどんな形でもいいから、学生服で応援歌の音頭を取るリーダーのいる応援団は、どんなに時代が変わっても残してもらいたいものだ。
☆最後に、これは早稲田や慶應にお願いしたいのだが、もう少し女性リーダーの入部志望者を増やしてほしいものだ。男子一辺倒ではいつかは、命脈は尽きる。
東京マラソン2017. [駅伝スポーツ]
☆今年も恒例の東京マラソン。今年からコースが新しくなり、フィニッシュ地点が東京駅前となった。スタート地点は新宿にある東京都庁前。そこから浅草、富岡八幡宮を経て折り返し地点を2つ回って、高輪地区を丸の内方面に向かって走り、行幸通りを走ってフィニッシュするというもの。
☆今回は男子の部で大会最高記録を、ウィルソン・キプサングがマークした。02°03′58″。2時間3分台がこの東京でもマークされたという事で、日本人ランナーたちはこれから目の色を変えてこの壁に挑みかかることだろう。勿論、潰れるのを覚悟で。
☆さて今回の東京マラソン、35㎞過ぎまで日本人トップを走っていた男は今回が初めてのマラソンであった。
☆その男・設楽悠太(Honda)は学生時代からロードレースで無類の強さを誇ってきた。ニューイヤー駅伝では毎年のように区間新・区間賞を掴んできた。今年こそさすがに失速しそれはできなかったが。
☆その設楽が初盤から積極的に前を攻めて攻めて攻めまくる走りを見せ、海外招待選手ばかりが走る先頭集団に食い込み続けた。
☆やがて30㎞に入りペースメイカーが離れても、設楽は果敢に攻め続けた。しかし30㎞以降は未知の世界と自分でも言っていたように、我慢に我慢を重ねながらの走りになった。
☆35㎞を過ぎたあたりから次第に速度が落ち、後続を走っていたMHPS(三菱日立パワーシステムズ長崎)の井上大仁に捉えられ、突き放されていった。
☆そして…先頭を走るキプサングが優勝を手にしてから数分後、全体11位、日本人3位でゴールした。設楽のタイムは02°09′27″。初マラソンにしてサブテン切りを為すのは近年でも驚くべき事だ。
☆去年、琵琶湖でも別大でも25㎞までのペースメイカーを務めた設楽、この後リオ出場権を得て10000mに出たが周回遅れ、そこでマラソンで勝負する意向を固めた。ロードの世界で勝負すると肚を決めたのである。
☆今年の東京マラソン本番で、設楽はその初志を貫徹した。解説者を務めた藤田氏もこの彼の走りを評価し「9′台でまとめたのは素晴らしいと思います」旨と語っていた。
☆双子で違う実業団で闘う兄・啓太と共に、設楽悠太の五輪への道は、まさにここから本格的に開かれたのである。
☆出来得るならば、何があってもこの道を走り貫き、五輪の本番で兄と共に栄光を手にしてもらいたいものである。
春が…。 [よろず雑感]
☆じんわりと近づいている。
☆職場最寄り駅の近くの、大学構内に植わっている早咲きの桜が満開に。濃いめのピンク色が実に愛らしく、春の華やかさを早くも感じさせてくれる。
☆冬至の頃は朝の5時半過ぎといえば夜中のように真っ暗けだった。立春を過ぎた今頃になると本当に明るくなっている。太陽の上る速さも春に合わせたかのよう。
☆しかし、空気は相変わらず…時折、春本番のようにポカポカになる日もあるが…冷え切って冷たいこの時期らしい気候だ。
☆それでも、春というものは、徐々にではあるが確実に我々の住むこの世に忍び寄ってきている。これから寒くなったり温かくなったりを繰り返しながら、本番の暖かさを迎えるのだ。
☆北朝鮮・金正恩の異母兄、金正男氏暗殺のニュース。腹違いとはいえ兄弟同士で痛くもない腹を探られた挙句に暗殺されるなんて。
☆独裁者にありがちな、仮令血を分けた者であっても己の地位を奪われることに対する恐怖と危機感に常にとらわれるという性癖がこういう事件を引き起こすのだろう。
☆ともかく色々なことがあるけど、春は確実に近づいている。
2月に入って。 [よろず雑感]
☆滅茶苦茶に寒い日が続いている。
☆鳥取では最高積雪が90㎝を超えなんとしている。日本海に面している地方が豪雪の被害にあっている。死亡事故も発生するなど、毎年乍ら大変な事態となっている。
☆関東…とりわけここ東京でも、昨日は小雪のちらちら舞い散る気候となった。会社からの帰り、雪も雨も降ってないので大丈夫かな?と思い外に出たらいきなり突風と共に雪が舞い上がるように降ってきた!
☆勘弁してくれ…!と言わさんばかりに雪は突風と一体化して横殴りに叩きつけるように降っている。
☆こんな気候が散々、続いた後に「やっとここらさ」と春本番がそろりと現れるのに相違ない。
☆ドナルド・トランプと安倍晋三との日米首脳会談。おもむろに日本側に不利を齎すことは、トランプはまず言わなかったらしい。ただし、これからが実は問題になってくるかもしれない。
☆トランプが出した7か国の国民入国差し止めの大統領令は、あまりに無茶苦茶ゆえか、連邦最高裁でも発効に「NO!」サインが出た。
☆自由の国、多様性担保の国としてやってきたのに、テロを防ぐためとはいえ、7か国の人々を十把一絡げにして国に入れないなんて…こういうやり方は国内に潜伏しているだろうテロリストを活躍しやすくしてしまうだけだと、個人的には思うんですけどねぇ。
愈々1月も…。 [よろず雑感]
☆終わりが近づいてきた。今日は30日。明日が晦日の31日。
☆でもって、30日は、まるで春の日和のような温かさ。1月でこんなに温かい日は2006年以来21年ぶりとや。
☆銀座ではなんと!団扇でパタパタやっていた人もいると聞く。そんなに暑かったんかいな。
(;゚Д゚)=3
☆今日、お昼休みに外に出たら、あったかい風がふわ~♬と吹いてきて、こりゃあ全く持って春そのものやんけ!と仰天した次第。
☆でもまだ1月の終わり。2月になったら寒波の大逆襲が始まる。その証しというかなんというか、明日からまた冬の寒さに逆戻り。例年通りの気温に戻るとや。
☆トランプのヤツ、イラクなど中東の各国出身者の出入国を制限する大統領令にサインしたもんだから、世界中で混乱が発生し、NYでは空港で入国できない人が怒りの抗議をし、世界の首脳も流石に「これは容認できない」(英・メイ首相)と非難した。
☆また、沢山の移民を社員として受け入れてきた、世界でも名だたる存在のサイバー企業(マイクロソフト、アップル、グーグル、ヤフー、フェイスブック、ツイッターなど)が「移民あっての私達だ」とトランプのやり方に異議を唱えている。
☆英国を代表する陸上長距離界の英雄、モー・ファラーも、トランプの移民入国制限政策に異議を唱えるメッセージを発した。彼はもともとソマリアからの移民。幼い頃に英国に移住した。
☆世界中の人々からトランプの強引で自分勝手としか言いようのないやり方に日々怒りの抗議がぶつけられていく。が、当のトランプといえば「大統領令は正しい」と、全く意に介さずときている。
☆これこそ、まさに「馬耳東風」そのものである。
☆こんな人間を大統領にした人間たちは、自分が世界がこれまで保ってきたものを壊していっていることに、全くと言っていいくらい自覚がない。
☆このことが、アメリカばかりか世界中を衰滅に導かないとは誰が言いきれるだろうか。
☆無論、日本も衰滅は…必至だ。
久しぶりの更新です。で、トランプ大統領就任式近し。 [よろず雑感]
☆久しぶりの更新です。と書いたところで、ドナルド・トランプ氏の大統領就任式の開始が迫ってきている。
☆民主党のヒラリー・クリントン氏を逆転で破り、当選を決めてから、言いたい放題を繰り返すトランプ氏。
☆前任者のバラク・オバマ氏が退任のあいさつで、「民主主義の行方は私達のあり方如何に掛かっている」旨の演説をしたとや。
☆その演説の中に、トランプ氏が振りかざす言動が招く「民主主義の揺らぎと分断への危機感」と、多様性への担保が揺らぎかねないとの危機感が滲んでいた。
☆人種間、男女間、そのほかにおける分断を押しとどめ、アメリカのみならず、世界がおかしな方向に行かないようにしなければならないとの思いが、オバマ氏の中にはあるのだろう。
☆しかしトランプ氏の「辞書」には、オバマ氏のような社会・人種・ジェンダーなどの多様性の担保という言葉はなさそうだ。そしてその支持者(ほとんどが白人労働者)や彼を大統領の座に就かせた影の勢力(世界的大富豪一族がこれに関わっている、という説もささやかれているらしいが)にも。
☆しかし、いたずらに恐れることなく、彼の動向を見守りながら、彼がとんでもない方向にアメリカを、そして世界を導かないように監視していく以外に如くはない、今のところは。
☆相手が仮令大統領であっても「為政者の暴走」を監視するのは私達有権者でしかないのだから。
3連休おしまい。 [よろず雑感]
☆正月3が日のあと3日間出勤し、そのあとすぐに3連休。
☆いやぁ~年末年始の休みも含めて9日間休むと、流石に、ダレルなぁ・・・。
☆もっといろんな、自分のしたいこともしようと思っていたけれど、箱根駅伝をはじめとする駅伝スポーツの余韻のお蔭でとうとう、できずじまいだった。
☆本日は成人の日。1999年までは毎年1月15日がそれだった。翌年からそれが1月の第2月曜日と決まった。
☆新成人の特集を今日の昼間TVでみた。北九州とか沖縄とか…相変わらずやんちゃで派手派手なファッションの新成人は面白かった。一度しか来ない成人の日くらいはド派手に決めまくろうっていうわけで、力いれて思いっきりビッグインパクトなファッションを決めてくる。
☆まぁ普段は彼等だって一所懸命に地道に働いているわけだし、それに1度しか成人式ってできないからいいかもなぁ…。
☆と、思えば最近では20歳の半分=10歳で行う「2分の1成人式」、60歳を「0歳」としてその20年後、つまり80歳で行う「シニア成人式」40歳で執り行う「ダブル成人式」60歳の「トリプル成人式」…成人式も年齢層に合わせてヴァリエーションが増えたもんだの…。
☆単に20歳になったのを祝うための「成人式」より、その年齢を一区切りとしてお祝いするセレモニーみたいに「進化」していったのね。
☆自分も、あともう数年すれば60歳になるので、若し区役所とかで「トリプル成人式」が行われるなら、お誘いのDMとかが来るのかしらん。まぁもっとも!それが来ても、もとより「行く気はない」けどね(笑)。
正月は駅伝で明け…。 [駅伝スポーツ]
☆日本の元旦は駅伝で始まる。
☆駅伝日本一を決める闘い・ニューイヤー駅伝。吹き荒ぶ上州のからっ風と闘いながらの襷渡しレース。優勝を決めるはずの実業団が軒並み下位に。優勝したのはこれが18年ぶりの勝利となった旭化成。
☆競技者としての意識の高い二組の双子のうち、4区を走った兄の市田孝が中盤から追い抜き快走し区間賞を獲得。弟の宏も区間賞。
☆その他のメンバーも健闘し、ついに18年ぶり22回めの優勝を勝ち取った。久しぶりに勝利の美酒に、旭化成チーム全員がきっと、酔い痴れたことだろう。
☆次の日(1月2日)は箱根駅伝往路。今回は青学が史上6校目箱根3連覇・学生3大駅伝3冠達成を決めるのか、それとも「下剋上」と言われたほどの「逆転勝利」を他校がきめるのか。
☆TVに目を晒しながら見つめていると、勝負は混沌とした状態になるや否や!といった展開だったが、3区で青山学院大学の独壇場に。そのまま4区、5区を力強く快走し、ついに往路優勝を決めた。
☆青学のしっぽをあともう少しのところで逃した、早稲田をはじめとするライバル校。優勝候補と目された大学の中には山梨学院のようにシード落ちしてしまうところも出た。
☆6区から他校に尻を掴ませずに快走した青学。途中7区で田村和希(3年)が脱水症状で苦しみ、区間11位になるも、8区の下田裕太(3年)が田村の遅れを帳消しにする走りでトップをキープ。
☆9区でまさかの追い上げドラマが、東洋の野村峻哉(3年)が終盤で早稲田を追い上げチーム順位を2位に押し上げた。
☆そして…ついに青学は学生駅伝3冠を達成した。。サンキュー大作戦、大成功!他大学は一様にうな垂れた・・・終わってみれば彼等は2位東洋と7分以上の大差をつけていた。
☆駒澤が総合9位と遅れるなど、ここ数年は全くなかったことだ…4区を走った中谷がブレーキに。5区で大塚が大健闘を見せるも序盤からの長くて悪い流れを絶てずに、結局上記の順位に。
☆東洋大は9区で早稲田を交わして10区で2位のまま青学を追撃するも、結局捕まえられなかった。
☆で、今日(2017年1月7日)は青学チームがセンター街をパレードした。英雄たちを見ようとファンが沢山押しかけ、押し合いへし合いの大混雑ぶりとなったとや。
☆ロードを駆ける若者たちが、文字通り青春の輝きを見せてくれる箱根駅伝。しかし!この先は少子高齢化も相俟って…関東の大学だけでやる駅伝では…なくなるかもしれない。
後幾つ寝ると。 [駅伝スポーツ]
☆正月駅伝の日々がやって来る。
☆正味3日間。
☆夫々栄冠を勝ち取るのは何処か。
☆現在の予想では元旦のニューイヤー駅伝ではTOYOTA、箱根駅伝では青山学院大学。走法とも、3連覇がかかっている。
☆青学はそれと共に、大学駅伝3冠獲得の可能性高いとの呼び声がいや増している。
☆果たして、TOYOTAと青学、それぞれのチームが世間の予想通りの栄光を掴めるか。それとも、別のチームにそれらを掻っ攫われるのか。
☆どちらも、ふたを開けないと、分からない勝負の行方。
☆毎年恒例だが…日本の正月は、駅伝と共に明ける。少なくともファンにとっては。まぁもっとも、それ以外にとっては、初詣と初日の出で正月が明けるとかいろいろだしね。
「クリスマスイヴ」と殆ど関係ない「SONY」の話。 [よろず雑感]
☆街を歩くと、きらめくイルミネーション。通りを歩く大量の人、ひと、ヒト…。
☆3週間前に銀座を歩いた時、すでにそこは人でごった返していた。。黒山の人だかりというのはまさにこれなのだ。
☆数寄屋橋交差点の右折地点にある、とある商業ビルに入る。此処も既にかなり多くの人が入っている。このビルの持ち主である、とあるエレクトロニクス会社の歴史を飾った商品たちの展覧会。
☆著名人たちの愛用品だった、その会社の歴史的かつエポックメーキングな製品の展示から始まり、順々にステップを上がっていくと、そこには布で巻かれたコードとプラグのついた、古ぼけた、如何にも我楽多民具といった風情の、木のお櫃が。
☆説明によると、それはこのビルを持っている例の会社の、最初期の製品だという。電気式炊飯器という触れ込みで作られたらしいのだが。
☆かつて何処かの本で読んだことのある、この製品についてのエピソードが頭に浮かんだ。
☆何でも、これを作って売り出したのはよかったが、ご飯が美味しく炊けずに焦がしてしまうなどの不具合が多数発生し、故にこのお櫃は多量に返品され、社員たちはその大量の返品の山を前にため息をついていた、という。
☆その向かって右上の方向には、これまた古ぼけた、薄っぺらな(失敬!)電熱マットと思しき製品が。
☆これも2枚の丈夫な和紙(美濃紙)の間に発熱線を巡らし、その上から綺麗な布で包んだだけの、簡素なつくりのものという。このマットについても覚えている挿話がある。この製品、スイッチ一つですぐにあったかくなるのは良かったが、物のない当時故にサーモスタットも温度調節もついてないからじきにお尻が焦げてやけどするほどに熱くなり、これも大量に返品また返品…とあいなったという。
☆結局、ちゃんと使い物になってヒットしたのは当時のラジオなどに欠かせぬデバイスだった真空管の調子を調べるメーターのようなものとか、モールス通信をタイプして文字化するらしいマシンぐらいなものだった。。
☆そんな紆余曲折を経て完成させたのが、G型と呼ばれる巨大なオープンリールのテープレコーダーだった。官庁や議事堂などで要り様になることを想定して「G=goverment」と命名したものとか。
☆このG型テレコの開発発売の時から、この会社=東京通信工業=SONYの躍進が始まった。
☆昭和世代ならご存知のようにSONYはそれからまさに「破竹」の勢いで画期的なものを作り出してヒット作を連発した。ポケッタブルラジオ、マイクロTV、ソリッドステートイレブン、トリニトロン、スカイセンサー、そしてWalkman。
☆平成に入ってからは、ゲームや金融といった「こと」の分野にまでその事業の版図を広げていった。気づけば映画や音楽を始め、ありとあらゆる分野に版図を広げ、世界中どこへ行っても「SONY」のついているものに出会わないことはないといわれるくらいになった。丁度それは、21世紀の今、世界中の何処に行ってもアップルの「」のマークに出会わないことはないのと一緒なのだ。
☆さてそのSONY、21世紀に入るか入らないかという時代になって、その「アップル」にエレキとコンピュータの分野において、半ば「駆逐」されかけたように思われた。
☆然し、2010年代に入り、デジタルオーディオの世界でSONYは見事に踏みとどまった。
☆原音に極めて近い高音質を実現した音楽再生技術を搭載した「ハイレゾWalkman」の登場が、一時はアップルの「iPod」に奪われかけたポータブルステレオプレイヤーの王座をSONYに取り戻させた。
☆そしてウォークマン機能をアプリとしてバンドルしたAndroid端末スマフォシリーズ「Xperia」。これも今非常に好調である。
☆無論、この隆盛もいつまたアップルをはじめとするライバルIT企業に奪われ、泡沫のように消えてしまうかわからぬという油断ならざる状態に、今、SONYは置かれていると思われるのだが。
☆彼等に儲けを奪われる前に、ハイレゾなど高音質音響技術の世界で確固たる地位を築いていくしかないが、それはサイバー隆盛の今、非常に流動的なものになってしまっている。だから常に闘っていくしかない。それはほかの世界各地の、オーディオヴィジュアル業界も同じなのだ。
☆自動車や電化製品など、あらゆる「もの」がいま直にウェブとつながり、サイバー化しゆく今、SONYは日本において、エレクトロニクスの分野で一歩も二歩も前にそのIoT化を図ろうとしているのではないか。今急激に日進月歩の進歩を続けるAI(人工知能)の支配をも、どこの誰よりも受け入れんとせんばかりなのではないか。
☆思えば私がSONYなる企業集団に興味を持ち始めた1990年代の終わり頃、すでに彼等はサイバーの方角を向いていたのだから。(VAIOやAIBOが’90年代に登場したことを思えば納得できるはず)他の誰よりもサイバー世界と堅く直結することがSONYの一つの「宿命」だったのかもしれない。
☆SONYがこの地上に現われてよりはや70年。これからは愈々サイバー化するSONYの世界が出現するのかもしれない。その時我々は、これまで抱いてきたSONYのイメージを捨てなくてはならなくなるのかもしれない。